蝶々夫人 成功裡に終了
「蝶々夫人」が無事終了しました。「完売御礼」の札を表示したいほどのチケットの売れ行きで、熱くあたたかい公演となりました。
田村佳子さんの歌う蝶々さんは、初々しい15歳の娘が、母として強く凛とした女性に成長した姿を声量豊かな声と演技で表現し、客席を魅了しました。蝶々さんを支えるスズキ役の丸山奈津美さんに胸を打たれたお客様も多かったと思います。
「なるほどピンカートンとはこんな男だったのか」と改めて納得させられる武田友実さん。シャープレスの誠実な人柄がにじみ出る堀江磨さん。狂言回しをつとめるゴロー村田耕太郎さん、「あの女性に罪はないのです」とシャープレスが語るケイト役の宮本久美子さん、愛らしい自然な演技でカーテンコールでも客席の微笑みを誘ったドローレ役宮本悠愛ちゃん、あでやかな和服姿の合唱団。ドラマチックなピアノに情緒を添えるヴァイオリン。それぞれが舞台を彩りました。終演後客席では涙をぬぐう人も。
つい立てと和箪笥、生の草花などを効果的にアレンジした舞台装置でしたが、ゲネプロが10日前で、本番当日はホール開錠から開場、開演までの驚異的ともいえる短時間での段取りを乗り切ったことは、関係者にとっては、これから先の人生、何があっても乗り越えられるという力にもなったかも知れません。